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2021-12-10

今月の俳句「十一月」2021

シーソーに 小鳥留まりて 山の町

小鳥は 秋の季語。
人は幸福と不幸のシーソーに載って 少しでも幸福に傾きたいと願っている。
しかし小鳥が乗ってもシーソーを傾けることはない。彼らはシーソーの上に留まって安んじている。

 

御会式おえしきの 西風剛 誕生寺

御会式とは本来、集会して式を行うという意味であるが、もっぱら日蓮にちれん宗で、宗祖日蓮入滅の10月13日を中心に、門下が宗祖を追慕して行う法会ほうえをいう。
日蓮は1282年(弘安5)病のため身延山(みのぶさん)をあとにして常陸ひたち(茨城県)に向かう途中、信徒の池上宗仲むねなかの邸に休息し、同年池上邸(現在の大坊本行寺だいぼうほんぎょうじ)で入滅した。
誕生寺たんじょうじは、千葉県鴨川市小湊にある、日蓮宗の大本山。山号は小湊山。日蓮の誕生を記念して出身地に建立された。
誕生寺では七五三の時期に 御会式を行っている。
このころはいつも強い西風が吹くという。

 

仏花へ 造花色々 冬に

俳句では 立冬から冬の始まりとする。冬に入るともいう。
母親の命日が近いので 百均で菊やカーネーション、百合、ハイビスカスなど色とりどりの造花を求めて お墓参りをした。

 

木枯しや 門無き家に オリブの樹

オリブはオリーブの英名(olive)。
前庭の入り口の一隅に 立つ おおきなオリーブの樹。
木枯しの風邪に緑の葉を揺らしながら訪問者を迎えている。

 

迎えを待つ 下校の子らや 冬のらい

調度帰りの時刻に児童を 雷鳴と 強い風雨が襲った。
母親や家族の者が迎えに出た。
知人の女性も孫娘を車で迎えに。
中には自転車を引いた カッパ姿の高齢女性も 来ていたとのこと。

 

財布から 銀杏落ち葉が 狐の子

小学校の低学年のころ 校庭の銀杏落ち葉を算数の教材として先生から集めるように言われた記憶がある。
それでお金の計算を習ったのかもしれない。

 

半島へ 小さき雨雲 冬の虹

房総半島の沿岸に小さな雨雲か流れて通り雨を降らして行った。少し時雨れただけで すぐにやむと 小さな虹がかかった。
しかしその虹も見つめるうちから消えて行ったという。

 

白壁に 赤を散りばめ ビラカンサ

ビラカンサは ビラカンサスとも トキワサンザシとも呼ばれる。
ピラカンサは庭木や生垣として人気のあるバラ科の常緑低木。春の終わりから初夏には小さな真白な花を枝いっぱいにたわわに咲かせる。
秋から冬にかけては枝をしなるらせるほどにたくさんの果実を実らせる。

 

カレーバンと と 想えば欲しく 冬夕焼け

一年の内何度か無性にカレーパンを食べたくなることがある。
何かでカレーパンの話題を聞いたりするとたちまち欲しくなって来る。

 

粉チーズ零し冬日の 臭いする

冬日そのものに臭いはないが、布団など干した後に お日様の匂いを感じることがある。
テーブルに零れた わずかな粉チーズの臭いがそれを思い出させた。

 


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